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「国の借金は国民の資産」は嘘か本当か?財政破綻の真相と知っておくべき3つのリスク

国の借金と国民の資産のバランスを示す天秤の3Dイラスト。政府と家庭の経済的な繋がりをイメージ。

国の借金という「負債」の裏側には、必ず誰かの「資産」が存在しています。

「国の借金は国民の資産」という言葉を耳にしたことはありますか?メディアで「国民1人あたり1000万円の借金がある」と報じられる一方で、ネット上では「実は資産だから心配ない」という声も上がっています。一体どちらが正しいのでしょうか。結論から言えば、この言葉は会計上の事実を指していますが、すべての人にとって等しく利益があるわけではないという複雑な側面を持っています。本記事では、この言葉の真実と、私たちが知っておくべき経済の裏側を詳しく解説します。

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資産と負債は表裏一体!「国の借金」が国民の資産になる基本的な仕組み

「国の借金は国民の資産」と言われる最大の理由は、会計上のバランスシートの仕組みにあります。政府が国債(借金)を発行してお金を借りるとき、そのお金はどこから来ているのでしょうか。その多くは、日本国内の銀行や生命保険会社、あるいは個人投資家が購入しています。銀行が国債を購入するための原資は、私たちが銀行に預けている「預金」です。つまり、政府が1000兆円の負債を抱えているということは、その反対側で民間部門(私たち国民や企業)が1000兆円分の資産(国債そのものや、国債を裏付けとした預金)を保有していることを意味します。これが「資産と負債の表裏一体」という考え方の根源です。例えば、政府が建設国債を発行して道路や橋を造った場合、政府には借金が残りますが、国民には「将来にわたって使えるインフラ」という資産と、工事を請け負った企業や労働者への「現金(所得)」という資産が残ります。このように、国内で資金が循環している限り、国全体としての富が消失しているわけではないのです。詳細な解説については、こちらの資料も参考になります:「国の借金は国民の資産」というのは本当だろうか | PROnet。このように、誰かの負債は必ず誰かの資産であるという会計原則を理解することが、財政問題を読み解く第一歩となります。

報道の罠に注意!「国民1人あたり1000万円の借金」がミスリーディングな理由

ニュースや新聞でよく目にする「国民1人あたりの借金が約1000万円に達しました」というフレーズ。これを聞くと、まるで自分や自分の子供が将来返さなければならない借金を背負わされているような感覚に陥ります。しかし、この表現には大きな誤解が含まれています。本来、借金をしているのは「国民」ではなく「政府」です。むしろ、先ほど説明した通り、国民の多くは銀行預金などを通じて政府にお金を貸している「貸し手」の側にいます。つまり、正確に言うならば「国民1人あたり1000万円、政府に貸している」という見方もできるのです。また、日本の財政状況を他国と比較する際、総負債額だけを見るのは不十分です。政府が持っている現金や土地、有価証券などの「資産」を差し引いた「純債務」で見ると、日本の状況は見た目ほど深刻ではないという指摘もあります。こちらの記事では、日本の純負債比率がG7の中でも極端に高いわけではないというデータが示されています:「国民1人当たり1000万円の借金」は真っ赤な嘘 | ザイ・オンライン。財務省などの発表は、しばしば「増税の必要性」を訴えるためのレトリックとして利用されることがあるため、数字の裏にある「誰が誰に貸しているのか」という構造を冷静に見極める必要があります。

財政破綻は本当に起きない?MMT理論とインフレリスクの境界線

「自国通貨建ての国債を発行している限り、政府はいくらでも通貨を発行して返済できるため、財政破綻はしない」という考え方があります。これが近年注目を集めている「MMT(現代貨幣理論)」に近い発想です。日本の場合、国債のほとんどが日本円建てであり、日本銀行には通貨発行権があるため、デフォルト(債務不履行)が起こる可能性は論理的に極めて低いとされています。実際に、日本銀行が市場から国債を大量に買い入れることで、金利を低く抑え込み、政府の利払負担を軽減させているのが現状です。ただし、これには「無限に借金ができる」というわけではない制約が存在します。それが「インフレ」です。政府が過剰に通貨を市場に供給し、経済の供給能力を超えて需要を刺激しすぎると、急激な物価上昇(インフレ)を招く恐れがあります。インフレが進むと、私たちが持っている現金の価値は相対的に低下し、実質的な資産が目減りしてしまいます。つまり、財政の壁は「借金の額」そのものではなく、「インフレ率」にあるのです。こちらの記事でも、プライマリーバランスの重要性と経済状況のバランスについて触れられています:「国の借金=民間貯蓄」が成り立つ条件 | 週刊エコノミスト Online。破綻を過度に恐れる必要はありませんが、物価の安定を損なわない範囲での財政運営が求められるのです。

SNSの反応を分析!「国の借金」をめぐる国民の共感と不安のギャップ

SNS上では、このテーマに関して日々激しい論争が繰り広げられています。特にX(旧Twitter)では、「#国の借金は国民の資産」というハッシュタグを用いて、既存の報道を批判する声が多く見られます。一方で、将来への不安を訴える層も根強く、世論は大きく二分されています。以下に、SNSで見られる典型的な反応をいくつか挙げてみましょう。まず肯定派の声としては、「借金1000万円と言われてビビってたけど、結局俺たちが銀行に預けてる金が国債になってるだけじゃん。騙されないぞ」といった、メディアの煽りに対する反発が目立ちます。一方、慎重派や否定派からは、「国民の資産だとしても、それは一部の金持ちの資産であって、庶民には還元されていない」「インフレで貯金の価値が下がったら、結局国民が損をするのは同じだ」といった、分配の不平等や実質的な負担増を危惧する声が多く投稿されています。中には、以下のようなやり取りも散見されます。

「国債は国民の資産だから返さなくていいって本当?」
「会計上はそうだけど、将来、その資産を税金で回収(償還)するという名目で増税されたら、私たちの手元からはお金が消えるんだよ。」

このように、単なる数字上の議論にとどまらず、自分の生活や将来の税負担と直結させて考えているユーザーが多いのが特徴です。情報の出所や意図を読み解こうとする「リテラシーの高い層」と、直感的な「将来不安を抱える層」の間で、常に議論が平行線をたどっている様子がうかがえます。

「国の借金は国民の資産」という考え方に潜む無視できない3つのリスク

ここまで「国の借金は国民の資産」という側面を強調してきましたが、もちろんリスクが全くないわけではありません。この考え方を過信しすぎると、足元をすくわれる可能性があります。1つ目のリスクは「格差の固定化」です。国債が誰かの資産であるとしても、それを直接的・間接的に保有しているのは、主に余裕資金を持つ富裕層や大企業です。政府が国債を増やすことで恩恵を受ける人と、その返済(利払い)のために税金を払う人の間で、富の再分配が不公平に行われるリスクがあります。2つ目は、先述した「インフレリスク」です。過度な財政支出によって物価が暴騰すれば、貯金しか持たない高齢者や低所得者の生活は困窮します。3つ目は「将来の金利上昇」です。現在は低金利で抑えられていますが、将来的に金利が上昇すれば、政府の利払い費が膨れ上がり、教育や社会保障といった本当に必要な予算が削られる「クラウドアウト」が起きる懸念があります。こちらの記事でも、財政がこじれる理由や世代間の不公平について深く掘り下げられています:日本の財政がこじれる訳 | 東洋経済オンライン。また、「良い借金」と「悪い借金」の区別を明確にする必要性については、こちらの視点も重要です:経済学者が教える「良い借金」と「悪い借金」 | ダイヤモンド・オンライン。大切なのは、「借金=悪」と決めつけるのではなく、そのお金が「何のために使われ」「将来どんな価値を生むのか」を厳しく監視し続ける姿勢です。

まとめ:国の借金を正しく理解し、賢く向き合うための5つのポイント

「国の借金は国民の資産」という言葉は、私たちを過度な財政不安から解放してくれる一方で、手放しで喜べる魔法の言葉でもありません。この構造を正しく理解した上で、政府が私たちの「資産」を適切に運用しているかどうかを、主権者としてチェックしていくことが何よりも重要です。

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