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自己血輸血とは?メリット・デメリット・種類・適応をわかりやすく解説

自己血輸血のしくみを説明する医療イラスト

手術を控えて「自己血輸血をしましょう」と医師に言われたとき、何のことかわからず不安になる方は少なくありません。

自己血輸血とは、あらかじめ自分の血液を採取・保存しておき、手術中・術後に自分に戻す輸血方法のことです。他人の血液(同種血)を使わないため、感染リスクや拒絶反応のリスクを大幅に減らせる点が最大のメリットです。

この記事では、自己血輸血の目的・種類・メリット・デメリット・適応と禁忌・保険適用の有無まで、患者さん向けにわかりやすく解説します。

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自己血輸血とは?目的と基本のしくみ

通常の輸血(同種血輸血)は、他人の献血血液を使います。これには感染症リスク・血液型不適合・免疫反応(輸血後GVHD)などのリスクが伴います。

自己血輸血は、これらのリスクをゼロにするために開発された方法です。手術の数週間前から自分の血液を採って保存しておき、手術時に必要に応じて輸血するため、感染症の移染や免疫反応が起こりません。

主に出血量が多くなる大きな手術(整形外科・婦人科・心臓外科など)で活用されています。

自己血輸血の種類3つ

自己血輸血には、採血・保存・返血のタイミングの違いによって3種類があります。

①貯血式自己血輸血(最も一般的)

手術前に複数回にわたって血液を採取・保存しておく方法です。一般的に手術の2〜4週間前から採血を行い、1回200〜400mLずつ採取します。

②希釈式自己血輸血(術前血液希釈法)

手術直前に血液を採取し、採取分を補液(生理食塩水など)で補いながら手術を行う方法です。術中の出血で失われる血液の濃度を薄めることで、実質的な出血量を減らします。

③回収式自己血輸血(術中・術後回収)

手術中や術後に傷口から出た血液を専用機器(セルセーバーなど)で回収・洗浄し、再び体内に戻す方法です。事前の採血が不要なため、予定外の出血にも対応できます。

種類 採血タイミング 特徴
貯血式 手術2〜4週間前 最も一般的。整形外科で多用
希釈式 手術直前(麻酔後) 術前の貯血不要。心臓外科など
回収式 術中・術後 出血を回収して戻す。緊急時にも対応

自己血輸血のメリット

自己血輸血のデメリット・注意点

適応と禁忌:どんな人が対象か

貯血式自己血輸血の主な適応基準(目安):

貯血式自己血輸血の主な禁忌(できないケース):

回収式自己血輸血の主な禁忌:

保険適用・算定について

自己血輸血は健康保険が適用されます。診療報酬として算定できる条件は以下のとおりです。

医療機関によって対応状況が異なるため、詳細は担当医・病院の輸血部門にご確認ください。

自己血輸血後に献血はできる?

自己血輸血を行った後は、一定期間(目安として輸血後12ヶ月)は献血ができません。日本赤十字社の献血基準では、輸血を受けた人は一定期間後の献血が制限されています。

自己血でも「輸血を受けた」という扱いになるため、同様の制限が適用されます。詳細は最寄りの献血センターへお問い合わせください。

よくある質問(FAQ)

Q. 自己血輸血はどのくらい時間がかかりますか?
A. 1回の採血は20〜40分程度です。貯血式では手術前に複数回(通常2〜3回)の採血が必要です。採血後は30〜60分の安静が必要なため、来院から帰宅まで2〜3時間見ておくとよいでしょう。

Q. 自己血輸血は痛いですか?
A. 通常の採血と同じ針を使います。痛みの程度も採血と同等です。ただし一度に多めの血液を採るため、採血中・後にふらつきを感じることがあります。

Q. 自己血輸血をしても使わないことはありますか?
A. あります。実際の手術での出血量が想定より少なかった場合、保存した血液を使わないケースもあります。その場合は廃棄されます。

Q. 自己血輸血と同種血輸血の違いは何ですか?
A. 自己血輸血は自分の血液を使うため感染リスク・免疫反応がありません。同種血輸血は他人(献血者)の血液を使うため、感染症移染・輸血後GVHD・血液型不適合などのリスクがあります。

Q. 貯血式と回収式はどちらがいいですか?
A. 手術の種類や患者さんの状態によって使い分けられます。担当医が最適な方法を判断するため、どちらが「いい」というものではありません。複数の方法を組み合わせることもあります。

まとめ

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