警察官という職業は、公務員としての安定性だけでなく、階級が上がるにつれて年収が大幅に上昇する特徴があります。特に「巡査部長」という階級は、現場のリーダーとして活躍しながら、30代から40代にかけて民間企業の平均を大きく上回る収入を得られるポジションです。本記事では、巡査部長の年収の実態から、昇任試験の難易度、SNSで語られるリアルな評判まで、多角的に解説します。
巡査部長の平均年収はいくら?年代別の給与推移と公務員の安定性
巡査部長の年収は、経験年数や勤務地域、そして階級特有の手当によって構成されており、一般的に30代で約500万円~650万円、40代では800万円を超えるケースも珍しくありません。これは、厚生労働省が発表する一般的なサラリーマンの平均年収と比較しても非常に高い水準にあります。警察官の給与体系は「公安職俸給表」に基づいており、一般的な行政職の公務員よりも高く設定されていることが大きな要因です。
年収が安定している最大の理由は、公務員という立場ゆえの「倒産リスクのなさ」と「着実な昇給」にあります。年功序列の仕組みが色濃く残っているため、年齢を重ねるごとに号俸(給与の段階)が上がり、基本給が底上げされていきます。あるデータでは、30代の巡査部長で年収約560万円、40代の巡査部長で約825万円という高卒警察官のモデルケースも報告されています。このように、学歴に関わらず努力して昇任することで、高収入を目指せるのがこの職業の魅力です。
また、ボーナス(期末・勤勉手当)の存在も見逃せません。年に2回、合計で月給の4~5か月分が支給されるのが一般的です。巡査部長クラスになると、年間のボーナス額だけで80万円から100万円前後に達することもあり、生活の安定感を支える大きな柱となっています。詳しくは“警察官の年収とは?年代・学歴・男女別の給与や年収をすべて解説 | 公務員試験コラム”でも解説されていますが、地域によっても差があるため、都市部で勤務する警察官ほど年収が高くなる傾向にあります。
昇任試験が年収を左右する?巡査部長への昇格メリットと試験の難易度
警察官が年収を上げるための最も確実な方法は「昇任」です。巡査、巡査長を経て巡査部長になるためには、厳しい昇任試験を突破しなければなりません。この試験には、学歴と勤務年数に応じた受験資格が必要で、試験に合格することで階級が上がり、それに伴って基本給のベースとなる「級」も上昇します。つまり、同じ年齢でも巡査長と巡査部長では、月々の手取りだけでなく将来の退職金にも大きな差が生まれるのです。
巡査部長昇任試験の合格率は、およそ10倍から15倍と言われており、非常に狭き門です。試験内容は憲法や刑法といった法学知識を問う択一式試験だけでなく、実務能力を問う記述式試験、さらに面接や体力測定などが含まれます。特に「論述試験」は重要視され、警察官としての倫理観や現場判断能力が厳しく問われます。この試験を突破するために、多くの警察官が非番の時間を削って勉強に励んでいます。昇任への意欲が年収格差を生むと言っても過言ではありません。
昇任には経済的なメリット以外にも、大きな意義があります。巡査部長は現場での責任者としての役割を担うため、自分の考えを業務に反映させやすくなり、仕事のやりがいが増します。また、階級社会である警察組織において、上の階級にいることは「階級マウント」を回避し、職場での発言力を高めることにも繋がります。一方で、試験の難しさに挫折し、生涯を巡査長で終える選択をする人も一定数存在します。昇任するかどうかは、自身のキャリアプランとライフスタイルのバランスを考える重要な分岐点となります。詳細は“僕が巡査長から巡査部長という階級に昇任した理由”を参考にすると、現場のリアルな葛藤が見えてきます。
特殊勤務手当やボーナスの内訳は?警察官ならではの加算システム
巡査部長の年収を押し上げている大きな要因の一つが、多種多様な「手当」の存在です。警察官には基本給に加え、扶養手当や住居手当といった一般的な手当はもちろん、その職務の特殊性から「特殊勤務手当」が支給されます。これには、捜査等業務手当、交通整理手当、警ら手当、さらには爆発物等処理手当や死体取扱手当などが含まれます。これらの手当は、危険な現場や過酷な環境での作業に対する対価として、日額や回数に応じて加算されます。
特に注目すべきは「地域手当」です。これは物価の高い都市部で勤務する警察官に支給されるもので、基本給の数パーセントから、東京都内などの超都市部では20パーセント程度が加算されることもあります。この地域手当の有無だけで、地方と都市部の警察官では年収に数十万円の差が出ることがあります。巡査部長として都市部の所轄署で勤務し、夜勤や事件捜査に奔走する場合、手当だけで月々の給与が大幅に増額されるのが警察官の給与構造のリアルです。
さらに、警察官のボーナスは非常に安定しています。景気の変動を受けにくい公務員であるため、毎年確実に支給されます。巡査部長クラスであれば、1回あたりのボーナスで40万円から50万円、年間で100万円近くを受け取ることが可能です。警部補以上の管理職になれば、さらにボーナス額は跳ね上がりますが、巡査部長の段階でも十分に高い水準を維持しています。このように、基本給に各種手当とボーナスが積み重なることで、巡査部長の年収は多くの民間企業社員が羨むレベルに達しています。“警察官(地方公務員)の平均年収はどれくらい?退職金やボーナスなども解説 | 資格の大原 社会人講座”などでも、その詳細な内訳を確認することができます。
リアルな口コミとSNSの反応!高年収でも「割に合わない」と言われる背景
インターネット上のSNSや掲示板では、警察官の年収に対して賛否両論の声が渦巻いています。X(旧Twitter)などのSNSでは、「高卒でも40歳で800万円超えは夢がある」「公務員最強」といった肯定的な意見が見られる一方で、現役や元警察官からは「この給料は命を削った我慢料だ」という切実な声も上がっています。ここでは、代表的なSNSの反応を紹介し、その背景を分析します。
「巡査部長で年収600万超えたけど、非番でも呼び出されるし、睡眠不足で体がボロボロ。時給換算したらアルバイト以下かもしれない。」
「元警察官だけど、30代中盤で年収700万近くあった。辞めてからそのありがたさがわかるけど、当時は精神的に限界だった。お金か健康か、究極の選択。」
このように、年収の高さは「仕事の過酷さ」とのトレードオフであるという認識が一般的です。特に、警察官は不規則な交代制勤務であり、事件が発生すれば休日返上で呼び出されることも珍しくありません。また、酔っ払いの対応や悲惨な事故現場の処理など、精神的なストレスが非常に大きい職種です。SNSで「警察官の年収」が話題になる際、必ずと言っていいほど「誰もやりたがらない仕事だから給料が高い」という、いわゆる「我慢料」説が浮上します。
元神奈川県警の方がYouTubeで年収を公開した際には、「こんなにもらえるなら警察官になりたかった」という驚きの声が殺到しました。36歳で年収が非常に高い水準にあることを証明する動画は、多くの就活生や転職検討者にインパクトを与えました。しかし、一方で「仕事の責任と重圧に耐えられる人だけが手にできる報酬」という冷静な分析も見られます。年収という数字だけでは測れない、警察官という仕事の「重み」を理解することが重要です。詳細は“「警察官 年収」のX(旧Twitter)検索結果”でリアルタイムの反応を確認できます。
官舎や退職金まで考慮した生涯賃金!階級差による驚きの格差とは
巡査部長の経済的なメリットを考える際、額面の年収だけでなく「支出の少なさ」と「出口戦略(退職金)」にも注目すべきです。警察官の多くは、福利厚生の一環として公務員宿舎(官舎)を利用できます。家賃は市場価格の3割程度に抑えられており、都心の便利な場所に数万円で住むことが可能です。これにより、可処分所得が実質的に底上げされます。貯蓄がしやすい環境にあるため、若いうちに数千万円の資産を築く警察官も少なくありません。
しかし、官舎生活には特有のルールもあります。門限が厳しかったり、職場の人間関係がプライベートまで続いたりすることにストレスを感じる人もいます。それでも、住居費を極限まで抑えられるメリットは、生涯賃金の観点からは非常に強力です。また、退職金についても、民間企業の平均を大きく上回る金額が期待できます。ここで重要なのが「階級」です。巡査部長で定年を迎える場合と、さらに昇任して警視などで退職する場合では、退職金に1,000万円以上の差が出ることがあります。この格差が、若手警察官が必死に昇任試験を受けるモチベーションになっています。
最終的に、警察官の生涯賃金は、民間企業で働く同期の平均をはるかに凌駕することが多いです。定年後の再雇用制度や、警察官としての経験を活かした再就職(警備会社や法務関係)の道も開かれています。巡査部長という階級は、現場の第一線で活躍しながら、着実に資産を築き、安定した老後を迎えるための「最低ラインかつ最もバランスの取れた階級」と言えるかもしれません。長期的なキャリア形成については、“警察官25年目までの給料とボーナスの推移”などのブログで、勤続年数ごとのリアルな推移が詳しくまとめられています。
まとめ:巡査部長の年収をどう捉えるべきか
- 巡査部長の年収は30代で約500万円~650万円、40代で800万円超と高水準である。
- 昇任試験に合格することで、基本給やボーナスが確実にアップする仕組みがある。
- 危険業務や不規則勤務に対する各種手当が充実しており、年収を押し上げている。
- SNSでは「高年収で安定」という評価と「激務の我慢料」という意見が二分している。
- 官舎などの福利厚生や高額な退職金を考慮すると、生涯賃金は非常に高い。
巡査部長の年収は、安定を求める人にとっては非常に魅力的な数字ですが、その裏には責任感と自己犠牲が求められる現実があります。自身の価値観と照らし合わせ、この報酬が「見合う」と感じるならば、警察官としてのキャリアは非常に強力な選択肢となるでしょう。


