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国債がNISA対象に?相続税優遇案は決定済みなのかを整理

国債と相続税優遇案をイメージした金融制度のアイキャッチ 税金・社会保障
国債NISAや相続税優遇案は、まだ制度として決定したものではありません。
税金・社会保障

税理士YouTubeチャンネル「脱・税理士スガワラくん」で、個人向け国債と相続税優遇をめぐる話題が取り上げられ、SNSでも「国債を買うと相続税が安くなるの?」「NISAで国債が買えるようになるの?」と気になる人が増えています。

結論からいうと、2026年8月19日時点で、個人向け国債がNISA対象になったわけではなく、相続税が非課税になる制度もまだ始まっていません。いま話題になっているのは、国民民主党が提出した「国債NISA法案」や、自民党内で出ている税制優遇の検討論です。

この記事では、動画で話題になった内容、公式情報で確認できること、まだ決まっていないこと、今後チェックすべきポイントを整理します。

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動画で話題になった内容は?

動画では、国が個人にもっと国債を買ってもらうために、個人向け国債をNISA対象にする案や、相続税の扱いを優遇する案が出ている、というテーマが解説されています。

ポイントは、国債そのものの仕組みよりも、「税制優遇が付けば、相続対策として個人向け国債を買う人が増えるのではないか」という見方です。動画内でも、まだ決定ではない案として扱われています。

ここで注意したいのは、「国債を持てば相続税が必ず安くなる」と決まったわけではないことです。現時点では、制度改正の議論や法案提出の段階であり、実際に利用できる制度になったわけではありません。

確認できている事実:国民民主党が国債NISA法案を提出

国民民主党は2026年7月10日、議員立法として「国債NISA法案」を参議院に提出したと発表しています。同党の発表では、NISA対象に国債を追加することや、相続税の非課税化の検討といった措置が説明されています。

Bloomberg配信のYahoo!ファイナンス記事でも、国民民主党が個人購入の国債をNISA対象とし、NISAに組み入れた国債を相続税の対象外とする法案を提出したことが報じられています。

つまり、「そういう案が出ている」こと自体は事実です。ただし、法案提出と制度開始は別です。法案が審議され、成立し、施行されるまでは、実際の税制として使うことはできません。

いまのNISAでは国債は買える?

現行のNISA制度は、金融庁の説明では、株式や投資信託などの金融商品から得られる売却益・配当・分配金を非課税にする制度です。2024年からの新NISAでは、つみたて投資枠と成長投資枠があり、年間投資枠や非課税保有限度額が拡大されました。

一方で、金融庁のNISA特設サイトでは、国債はNISA対象商品として説明されていません。現在の制度上、個人向け国債をNISA口座で買って、利子を非課税にする仕組みではないと見ておくのが安全です。

このため、今回の話題は「すでに国債がNISAで買える」という話ではなく、「将来、国債をNISA対象に加える案が出ている」という段階です。

個人向け国債の金利はどれくらい?

財務省の「現在募集中の個人向け国債」によると、2026年8月募集分の個人向け国債は、変動10年、固定5年、固定3年が掲載されています。表面利率は、変動10年が年1.87%、固定5年が年2.06%、固定3年が年1.71%です。

個人向け国債は、発行後1年経過すれば原則として中途換金が可能で、中途換金時も元本割れのリスクなしと説明されています。ただし、中途換金時には直前2回分の各利子相当額に一定割合をかけた金額が差し引かれます。

銀行預金より金利が高く見える場面がある一方、株式や投資信託のような値上がり益を狙う商品とは性格が違います。安全性を重視する資金の置き場所として見るのか、資産形成の主役として見るのかで評価は変わります。

相続税優遇が実現すると何が変わる?

もし、NISAに組み入れた国債が相続税の対象外になる制度が実現すれば、高齢者の資産移転や相続対策として注目される可能性があります。

たとえば、預金や通常の金融資産として持っていると相続財産に含まれる資金を、一定条件の国債に移すことで税負担が軽くなるなら、相続を意識する世代にとっては大きな制度変更です。

ただし、ここが一番重要です。現時点では、非課税になる範囲、対象となる国債の種類、上限額、保有期間、相続発生時の扱い、既存保有分が対象になるかなどは確定していません。制度設計次第で、使い勝手も節税効果も大きく変わります。

なぜ国は個人に国債を買ってほしいのか

背景には、日銀が国債買い入れを段階的に減らしていく中で、国債の安定的な買い手を広げたいという事情があります。Yahoo!ファイナンスのBloomberg記事でも、日銀の国債買い入れ減額と、個人需要を呼び込む重要性が指摘されています。

日本の家計金融資産は、現預金の比率が大きいとよく言われます。国としては、眠っている預貯金の一部を国債や投資に向けたい。一方で、個人側から見ると、税制優遇がなければ国債の利回りだけでは物足りないと感じる人もいます。

今回の国債NISA案や相続税優遇案は、そのギャップを埋めるための政策案と見ると分かりやすいです。

まだ決まっていないこと

現時点で未確定なのは、次の点です。

  • 国債NISA法案が成立するか
  • 対象が個人向け国債だけなのか、一般の国債も含むのか
  • 相続税非課税が本当に導入されるか
  • 非課税の上限額や保有期間の条件
  • 既に持っている国債が対象になるか
  • いつから利用できる制度になるか

ここが決まらないうちは、「今すぐ相続税対策として国債を買うべき」とは言えません。制度変更を見越して動く場合でも、現行制度ではどう扱われるのかを税理士や金融機関に確認する必要があります。

今できる確認ポイント

この話題で焦って動くより、まずは次の3点を確認するのがおすすめです。

  • 国民民主党の国債NISA法案が今後どう審議されるか
  • 政府・与党の税制改正大綱に、国債の相続税優遇が入るか
  • 財務省が個人向け国債の商品性をどう見直すか

特に相続税に関わる話は、見出しだけで判断すると危険です。制度が成立しても、対象額や保有条件が厳しければ、実際に使える人は限られる可能性があります。

まとめ:話題性は大きいが、まだ「使える節税策」ではない

個人向け国債をNISA対象にし、相続税を優遇する案は、実現すればかなり大きな制度変更になります。動画で注目されたように、相続対策や安全資産の置き場所として国債を見る人が増える可能性はあります。

ただし、2026年8月19日時点では、まだ決定事項ではありません。国民民主党が法案を提出したこと、国債のNISA対象化や相続税優遇が論点になっていることは確認できますが、実際に非課税制度として始まったわけではありません。

今は「制度が始まった」と受け止めるのではなく、「今後の税制改正で注目すべきテーマ」として追う段階です。相続税対策として検討するなら、法案の成立状況、税制改正大綱、財務省の個人向け国債の商品見直しを確認してから判断しましょう。

本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品や節税手法を推奨するものではありません。相続税や資産運用の判断は、最新の公式情報を確認し、必要に応じて税理士・金融機関などの専門家に相談してください。

参考資料

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